訪問介護の事業を行なうためには、法令で定められた人員(職種)を事業所に置かなければなりません。
それでは、訪問介護の事業を始める場合は、最低限どれだけの人員(職種)を用意すればよいのでしょうか?
今回は、訪問介護の事業を行なうために最低限必要な職種とその人数について解説したいと思います。
ここでは国が定めているルールについて記載しています。実際に事業所が守らなければならないルールは、指定権者によって異なり、この記事で記載した内容と異なる場合があります。また、わかりやすくするために、記事の表現は正確さを欠く場合があります。 |
訪問介護の事業を行なうために必要な職種とは
訪問介護の事業を行なうために最低限必要な職種は以下の3種となります。
訪問介護員
サービス提供責任者
管理者
それぞれ順番に見ていきましょう。
訪問介護員として従事できる人と最低必要数
訪問介護員として従事できる人とは
訪問介護員として従事できるのは、一定の資格を持っているか、一定の研修を修了している人に限られます。
代表的なものは以下の通りです。
介護福祉士
実務者研修修了者
初任者研修修了者
基礎研修過程修了者
ホームヘルパー(訪問介護員)1級課程修了者
ホームヘルパー(訪問介護員)2級課程修了者
訪問介護員として従事できる人の詳細は別のところで書いています↓
訪問介護員として従事できる人について
訪問介護員の最低限必要数
訪問介護事業を行なうためには、訪問介護員はが最低でも常勤換算で2.5人必要です。
常勤換算で2.5人分というのは、その事業所の常勤職員(一般的には正社員)2.5人分ということです。
例えば、常勤職員の勤務時間が1日8時間、週5日勤務(週休2日)の事業所であれば、
8X5X2.5=100時間
すべての訪問介護員の勤務時間を合計して1週間あたりで100時間になればOKということになります。
4週間で考えると 160X2.5=400時間 になればOKということですね。 |
合計勤務時間が100時間になるための組み合わせは、常勤職員と非常勤職員(一般的にはパート社員、アルバイト社員など)をどのように組み合わせても構いません。
但し、訪問介護員のうち、サービス提供責任者になる職員は常勤職員でなければなりません(この後、詳しく解説します)。
また、常勤職員の勤務時間以上の長い時間を配置することはできません。
常勤職員の勤務時間が40時間の場合、一人の職員は40時間を超えて(例えば50時間とか)計算できないということです。
サービス提供責任者として従事できる人と最低限必要数
サービス提供責任者として従事できる人とは
サービス提供責任者は、常勤職員の訪問介護員から選任することとなります。但し、サービス提供責任者になれるのは、以下の資格を持っているか研修を修了した人に限ります。
介護福祉士
実務者研修修了者
基礎研修過程修了者
ホームヘルパー1級課程修了者
ホームヘルパー2級課程修了者、初任者研修修了者はサービス提供責任者になることができません。
サービス提供責任者の最低必要数
訪問介護事業を行なうためには、常勤のサービス提供責任者が最低1人必要です。
サービス提供責任者は利用者の数に応じて増やす必要があります。
管理者として従事できる人と最低限必要数
管理者として従事できる人とは
訪問介護の管理者として従事するのに、資格や研修修了などは必要ありません。
管理者の最低必要数
訪問介護事業を行なうためには、常勤の管理者が1人必要です。
管理者は訪問介護員またはサービス提供責任者と兼務することができます。
管理者の兼務の考え方について
管理者が訪問介護員やサービス提供責任者を兼務することはどの指定権者でも認められていますが、指定権者によって常勤換算の考え方が異なる場合があります。
一例を挙げると以下のようになります。
管理者(勤務時間8時間)が訪問介護員またはサービス提供責任者を兼務する場合
ケース1
管理者として8時間
訪問介護員(またはサービス提供責任者)としても8時間(常勤換算1)
ケース2
管理者として4時間
訪問介護員(またはサービス提供責任者)として4時間(常勤換算0.5)
ケース1の場合、管理者以外に、常勤換算で1.5人の訪問介護員を確保すれば最低限を満たすことになりますが、ケース2の場合は、管理者以外に、常勤換算で2人の職員を確保することが必要になります。
必ず確認を
管理者の兼務の考え方(時間の数え方)は人員配置をする上で、とても重要なポイントになります。
ここの認識を間違えてしまうと、無駄な人件費を発生させてしまったり、基準に違反してしまうなどのリスクを生じてしまう場合があります。
それぞれの事業所の指定権者である自治体に確認しておくことをお勧めします。
人員配置についてお困りの際は、当センターにお気軽にご相談ください。