新たな処遇改善加算【特定処遇改善加算】の内容が明らかに
2019年2月13日に、第168回社会保障審議会介護給付費分科会が開かれ、2019年10月の消費税増税に合わせて始まる介護職員に対する新たな処遇改善の加算【特定処遇改善加算】の仕組み、加算率が明らかになりました。
今回明らかになった部分について解説します。
参考:第168回社会保障審議会介護給付費分科会(ペーパーレス)資料
前回の解説はこちら
特定処遇改善加算の仕組み
特定処遇改善加算取得の要件
特定処遇改善加算取得の大前提として、
・現行の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までを取得していること
が必要です。
それ以外にも、
・職場環境等要件に関し、複数の取組を行ってい ること
・介護職員処遇改善加算に基づく取組について、HPへの掲載等を通じた見える化を行っていること
が取得要件になるようです(詳細は未定)。
追記:取得要件が明らかになりました。解説はこちらをご覧ください。
特定処遇改善加算は現行の介護職員処遇改善加算とは別の加算として設定されます。
特定処遇改善加算の仕組み
特定処遇改善加算は積み上げ方式
特定処遇改善加算は現行の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)に積み上げる形になります。
現行の介護職員処遇改善加算を取得してない事業所、介護職員処遇改善加算(Ⅳ)・(Ⅴ)を取得している事業所は特定処遇改善加算を取得することはできません。
特定処遇改善加算の加算率は2段階
特定処遇改善加算は要件によって(Ⅰ)、(Ⅱ)の2段階に分けられます。
(Ⅰ)、(Ⅱ)の分け方は、各サービスに設定されている加算の取得状況を加味するとされています。
・サービス提供体制強化加算(最も⾼い区分)
・特定事業所加算(従事者要件のある区分)
・⽇常⽣活継続⽀援加算
・⼊居継続⽀援加算
(サービスによります)
処遇改善の額を手厚くするためには、対象となる加算の取得を検討する必要があります。
特定処遇改善加算の加算率
特定処遇改善加算の加算率はサービス毎に違う
特定処遇改善加算の加算率はサービスによって異なります。
加算率がもっとも高いのは訪問介護で6.3%、
最も低いのは通所介護で1.2%となっています。
*特定処遇改善加算(Ⅰ)の場合
サービスによる加算率の違いについては、
勤続10年以上の介護職員が多く所属しているサービスは加算率が高く設定されているとのこと。
最も処遇改善されるサービスは訪問介護:最高で20%
特定処遇改善加算の加算率が最も高いサービスは訪問介護ですが、
訪問介護は現行の介護職員処遇改善加算でも加算率が最も高いサービスとなっています。
介護職員処遇改善加算、特定処遇改善加算共にを取得すると、加算率は断トツの20%にもなります。
凄い処遇改善ですね!!
介護職員処遇改善加算(Ⅰ) | 特定処遇改善加算(Ⅰ) | 合計 |
13.7% | 6.3% | 20.0% |
特定処遇改善加算の加算率は現行の介護職員処遇改善加算には影響されない
特定処遇改善加算の加算率は、現行の介護職員処遇改善加算の加算区分には影響されません。
既に取得している介護職員処遇改善加算が(Ⅰ)でも(Ⅱ)でも(Ⅲ)でも要件をみたしていれば同じ加算率となります。
特定処遇改善加算(Ⅰ)の場合6.3%
特定処遇改善加算(Ⅱ)の場合4.2%
まとめ
特定処遇改善加算の輪郭がだんだん明らかになってきました。
まだ確定しない部分も多いですが、やるべきことの方向性ははっきりしてきたように思います。
処遇改善加算については色々な意見はありますが、
介護事業所の経営者・運営者や介護従事者の立場からすると、
公金によって介護スタッフの報酬をアップしてくれる制度は大変ありがたい制度です。
これを活用しない手はありません。
詳細が決まったら、行政からのアナウンスがあります。
すぐに対応ができるように、情報チェックは怠らないようにしましょう。
処遇改善加算を取得しないのはもったいない
厚労省によると、10%の事業所は現行の処遇改善加算を取得していないようです。
色々な理由によって取得できない場合はさておき、
手続きが面倒というのが取得していない理由だとしたら大変もったいない話です。
処遇改善加算のメリットは非常に大きいです。
スタッフの給与をボンとアップすることができます。
利用者さんの自己負担額への影響もありますが、
国が考えた制度である旨をご説明することで、他の加算に比べると理解を得られやすいというメリットもあります。
区分支給限度基準額への影響もありませんから、処遇改善による限度額オーバーの心配もありません。
特に訪問介護については、他のサービスよりも手厚く、最高で20%の処遇改善が可能ですので
是非とも取得をおすすめします。
処遇改善加算取得の方法が分からない場合
処遇改善加算の取得をしたいけれど、どうしたらよいかわからない場合、
介護事業運営支援センターが加算取得をお手伝いします。
まずは、電話またはお問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい!