2019年介護職員の処遇改善が見えてきた

新たな処遇改善の大筋決定

2018年12月19日に、第167回社会保障審議会介護給付費分科会が開かれ、2019年10月の消費税増税に合わせて始まる介護職員に対する処遇改善のざっくりとした仕組みが見えてきました。

具体的な手続きの方法や金額などは、これから決まっていくことになります。

 

参考:第167回社会保障審議会介護給付費分科会(ペーパーレス)資料

 

追記:第167回社会保障審議会介護給付費分科会が開かれ、加算率などが明らかになりました。解説はこちらをご覧ください。

新たな処遇改善は介護人材不足解消の一環


第167回介護給付費分科会資料より

 

すでに介護人材は足りなくなっている状況ですが、

2025年までに+55万人の介護人材を確保しなければなりません。

そのためにいろいろな取り組みを行なっていますが、

その一環として、他の業種よりも明らかに安い介護職員の賃金を上げようという狙いです。

 

新たな処遇改善で目指すもの

国が目指すモデル

どこの介護事業所にも
全産業の平均賃金(役職者を除く)年収440万円
の介護職員がいる状況を目指すモデル
です。

新しい処遇改善の制度を利用した法人や事業所は

勤続年数10年以上の介護福祉士の中で、

●月額8万円の処遇改善された人
又は
●年収440万円以上の人
を設定・確保しなければならないことになっています。

 

勤続10年≠年収440万円

これは勤続10年の人が全員440万円ではありません。

例えば

勤続10年以上+法人で決めた職位(例えばフロアリーダーとか主任など)

になった人は年収440万円という賃金モデルを作る必要があるということです。

 

つまり

同じ法人で10年以上働いていて、能力があれば

年収440万円を目指せますよということです。

 

ちなみに

また、この勤続10年は介護経験10年でもいいことになりました

法人や事業所の判断で決めて良いということです。

 

国が目指すもの

介護職全員の賃金底上げをするにはお金が足りないので、

一部の介護職の収入を底上げすることで、

頑張れば介護職でも、他の業種の年収と遜色ないレベルに達することができますよというイメージを作り、

介護人材の確保に繋げようということです。

 

新たな処遇改善加算を取得しよう

新た処遇改善加算の取得要件

対象サービス

加算対象のサービス種類は、これまでの介護職員処遇改善加算と同じになる予定です。

以下のサービスは対象外(介護予防含む)
訪問看護
訪問リハビリテーション
福祉用具貸与
特定福祉用具販売
居宅療養管理指導
居宅介護支援
介護予防支援

居宅介護支援や福祉用具貸与だけを運営している法人は、

残念ながら、置いてきぼりとなります。

 

取得の要件

・現行の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までを取得している事業所

・職場環境等要件に関し、複数の取組を行ってい ること

・介護職員処遇改善加算に基づく取組について、HPへの掲載等を通じた見える化を行っていること

が取得要件になりそうです。

 

ちなみに、約90%の事業所が介護職員処遇改善加算加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)を取得しています。

 

新たな処遇改善の額を手厚くする方法

加算率については

・勤続年数10年以上の介護福祉士の数が多いと加算率が高まる
・サ ービス提供体制強化加算などの取得によって加算率が変わる

ことになる予定です。

 

追記:加算率について明らかになりました。解説はこちらをご覧ください。

新たな処遇改善加算の分配方法


第167回介護給付費分科会資料より

処遇改善の方法は法人・事業所内で柔軟に設定できる

処遇改善加算の取得によって得たお金は、法人・事業所内である程度自由に分配ことになりそうです。

まず3種類に分ける

法人・事業所内で、スタッフを3種類に分類します。

【経験・技能のある介護職員】=勤続 10 年以上の介護福祉士
 (勤続10年の考え方については、事業所の裁量つまり介護経験10年でも可)

【その他の介護職員】=経験・技能のある介護職員以外の介護職員

【その他の職種】=介護職員以外の全ての職種の職員

 

分配のルール

分配のルールは2つあります。

【経験・技能のある介護職員】
→処遇改善額がその他の介護職員の2倍以上になること

【その他の職種】
→処遇改善額がその他の介護職員の2分の1を上回らない
(但し、【その他の職種】の賃金が【その他の介護職員】の賃金と比べて低い場合は、柔軟な取扱いしてもよいことになっています)。

 

まとめ

ざっくりと見えてきた新たな処遇改善について解説しました。

色々な意見はありますが、

介護事業所の経営者・運営者や介護従事者の立場からすると、

公金によって介護スタッフの報酬をアップしてくれる制度は大変ありがたい制度です。

これを活用しない手はありません。

 

詳細が決まったら、行政からのアナウンスがあります。

すぐに対応ができるように、情報チェックは怠らないようにしましょう。

 

処遇改善加算を取得しないのはもったいない

厚労省によると、10%の事業所は現行の処遇改善加算を取得していないようです。

色々な理由によって取得できない場合はさておき、

手続きが面倒というのが取得していない理由だとしたら大変もったいない話です。

処遇改善加算のメリットは非常に大きいです。

スタッフの給与をボンとアップすることができます。

 

処遇改善加算取得の方法が分からない場合

処遇改善加算の取得をしたいけれど、どうしたらよいかわからない場合、

介護事業運営支援センターが加算取得をお手伝いします。

 

まずは、電話またはお問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい!

 

 

 

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