介護保険による訪問介護事業を行なうためには自治体から[指定]受ける必要があります。

そして、要介護者を対象とするサービスと要支援者を対象とするサービスは、それぞれ指定を受けることが必要です。

要支援者を対象とする訪問介護は(通所介護・地域密着型通所介護も)保険給付の対象から外れ、地域支援事業に移りましたので、ちょっとわかりにくくなっています。

 

要介護者を対象とするサービスと要支援者を対象とするサービスの違い

要介護者を対象とする訪問介護と要支援者を対象とする訪問介護は以下のような棲み分けになっています。

ヘルパーが家に来るサービスの総称を[訪問介護]と呼ぶことがあり、要介護者を対象とするサービスの名称も[訪問介護]といいますので、わかりにくいですね。

 

対象者 サービス
要介護者 訪問介護
(保険給付の中の介護給付)
要支援者
(事業対象者)
第1号訪問事業
(地域支援事業の中の総合事業の中の第1号事業)

 

保険給付とは要介護や要支援の被保険者に対する給付のことをいいます。

その中で、要介護被保険者を対象とする給付のことを介護給付といいます。

地域支援事業とは介護保険の被保険者などを広く対象とした事業です。

総合事業とは地域支援事業のひとつで、地域の高齢者などを支援する事業です。正しくは介護予防・日常生活支援総合事業といいます。

第1号事業とは総合事業のひとつで、要支援被保険者や事業対象者を対象とする支援を行なう事業です。介護予防・生活支援サービス事業ともいいます。

 

細かいことはさておき、どちらのサービスも行ないたい場合には、両方の指定を取る必要があるということになります。

 

申請窓口・指定権者

[訪問介護](要介護者対象)の場合

訪問介護の指定を受けるための申請窓口は事業所の所在地によって変わります。

事業所のある都道府県が基本ですが、事業所の所在地が政令指定都市・中核市の場合は政令指定都市・中核市の市長が指定権者になりますので、政令指定都市や中核市が申請窓口となります。

事業所の所在地 申請窓口
事業所の所在地が政令指定都市の場合 政令指定都市
事業所の所在地が中核市の場合 中核市
それ以外の場合 都道府県

 

[第1号訪問事業](要支援者対象)の場合

第1号訪問事業は市町村単位の事業です。各市町村の長が指定権者になります。サービスを提供したい利用者さんの住む市町村の役所・役場が申請窓口になります。

事業所が所在する市町村の住民だけを対象にすればよい場合は、事業所の所在する市町村に申請します。近隣市町村の住民にもサービス提供したい場合は、近隣市町村にも申請することが必要です。

 

守るべき基準

[訪問介護](要介護者対象)の場合

訪問介護の指定を受け、事業を行なう際には、条例で定める[人員基準][設備基準][運営基準]に従わなければなりませんが、守るべき基準は事業所の所在地によって変わります。

事業所の所在地 守るべき基準
事業所の所在地が政令指定都市の場合 政令指定都市が条例で定める基準
事業所の所在地が中核市の場合 中核市が条例で定める基準
それ以外の場合 都道府県が条例で定める基準

 

守るべき基準は国が作った[指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十七号)]を基に作られています(大体同じような内容です)。

他にも[介護保険法]、[介護保険法施行令]、[介護保険法施行規則]などの法令に従い事業を行なうことが必要です。

 

[第1号訪問事業](要支援者対象)の場合

第1号訪問事業の指定を受け、事業を行なう際には、指定を受ける市町村の要綱等で定める[人員基準][設備基準][運営基準]に従わなければなりません。

他にも[介護保険法]、[介護保険法施行令]、[介護保険法施行規則]などの法令に従い事業を行なうことが必要です。

 

事業所について

事業所の立地・建物

訪問介護・第1号訪問事業の場合は、事業所でサービス提供を行ないませんので、事業所の立地や建物については、あまり制約はありません。

 

事業所の内部・設備

●事務室または専用の区画
●相談スペース
●手指洗浄設備
が必要です。

要介護者向けの訪問介護と要支援者向けの第1号訪問事業の両方の指定を取る場合、それぞれで専用の区画や相談スペースを用意する必要はありません(共用でOKです)。

※他のサービスと併設の場合は、それぞれの専用の区画が必要です。

 

備品

●鍵付きキャビネット
などが必要です。

 

人員について

訪問介護・第1号訪問事業の指定を取得する際に最低限必要な人員は以下の通りです。

要介護者向けの訪問介護と要支援者向けの第1号訪問事業の両方で指定を取る場合、それぞれ別の人員を用意する必要はありません(兼務できます)。

職種 人数
管理者 1人(常勤)
サービス提供責任者 1人(常勤)
訪問介護員 2.5人(常勤換算)

 

管理者

資格の要件

ありません。

 

必要な人数

1人(常勤)

常勤とは
当該事業所における勤務時間が、当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(三二時間を下回る場合は三二時間を基本とする。)に達していることをいうものである。同一の事業者によって当該事業所に併設される事業所の職務であって、当該事業所の職務と同時並行的に行われることが差し支えないと考えられるものについては、それぞれに係る勤務時間の合計が常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していれば、常勤の要件を満たすものであることとする。
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について

サービス提供責任者または訪問介護員と兼務することができます。

※管理者がサービス提供責任者や訪問介護員と兼務する場合の、訪問介護員としての常勤換算数の計算の方法は都道府県により異なりますので確認が必要です。

 

サービス提供責任者

資格の要件

●介護福祉士
●実務者研修修了者
●基礎研修修了者
●ヘルパー1級修了者

平成31年4月1日以降は、初任者研修修了者及びヘルパー2級修了者はサービス提供責任者にはなれなくなりました。

※都道府県により異なる場合があります。

 

必要な人数

利用者数により変化します。

常勤換算法で利用者40人に対して1人必要です。
但し40人までは常勤1人必要です。

例えば利用者さんが60人の場合、60÷40=1.5人必要ということになります。

常勤換算方法
当該事業所の従業者の勤務延時間数を当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数(三二時間を下回る場合は三二時間を基本とする。)で除することにより、当該事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法をいうものである。
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について

なおかつ、利用者数によって最低限必要な常勤者の数も定められています。

利用者数 常勤換算数 うち常勤者の数
40人以下 1人(常勤) 1人
40人超
80人以下
1.1人~
2.0人
1人
80人超
120人以下
2.1人~
3.0人
2人
120人超
160人以下
3.1人~
4.0人
3人
160人超
200人以下
4.1人~
5.0人
4人
200人超
240人以下
5.1人~
6.0人
4人

※要件を緩和できる場合もあります。

 

訪問介護員

資格の要件

●介護福祉士
●実務者研修修了者
●基礎研修修了者
●初任者研修修了者
●ヘルパー1級修了者
●ヘルパー2級修了者
●看護師、准看護師、保健師

※都道府県により異なる場合があります。

 

必要な人数

常勤換算で2.5人以上

 

 

申請締め切り日と指定日

指定日

指定日は基本的に毎月1日です。

 

申請締め切り日

申請の締め切り日は窓口によって異なります。

埼玉県の場合以下の通りです(一部のみ掲載)。

窓口 申請の締め切り日
埼玉県 前月10日
さいたま市 前月10日
川越市 前々月末日
越谷市 前々月20日
川口市 前々月末日
和光市 前々月末日