ケアマネ試験の合格者数激減が及ぼすもの

 

第21回(平成30年度)ケアマネ試験の結果

過去最低記録の三冠王

2018年10月に行なわれた第21回(平成30年度)ケアマネ試験の実施状況が厚生労働省より発表となりました。

参考:第21回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について

受験者数49333人(前年比-62.5%)

合格率10.1%(前年比-11.4ポイント)

合格者数4990人(前年比-82.3%)

 

なんと、受験者数、合格者数、合格率ともに過去最低をマークしました。

 

受験者減少は予定されていた

今回の試験より、受験要件(実務経験のルール)が厳しくなったため、

受験者数が少なくなることはあらかじめ予想されていました。

 

実務経験のルールについては、別のブログで書いたものがありますので、

よろしければ、ご覧ください。

ケアマネ試験の実務経験は何がどうかわったの?3つのポイントについてできるだけわかりやすく解説します。|介護福祉士とケアマネ試験と合格法

 

合格率の急低下は予想外

第19回のケアマネ試験は当時史上最低の合格率13.1%をマーク。

ケアマネ試験の難度化が話題となりましたが、

第20回試験では、ここ数年なかった高い合格率21.5%に急回復

当面は、10%台後半くらいの合格率が続くものと思われました。

 

ところがしかし、第21回試験ではまさかの10.1%

史上最低合格率をたたき出しました。

 

どうして史上最低の合格率となってしまったのか?については

別のブログで書いています。

よろしければ、ご覧ください。

第21回(平成30年度)ケアマネ試験の合格基準(合格点)発表!!|介護福祉士とケアマネ 試験と合格法

ついでに合格率の推移もあります。

ケアマネ試験 合格率推移(受験者数 合格者数 合格率)|介護福祉士とケアマネ 試験と合格法

 

 

受験者数減少x合格率低下で驚きの合格者数

合格率までが下がったことで、

合格者数が5000人を下回るという恐ろしい事態となりました。

 

それにしても、全国で5000人って凄いですね。

人口24000人にたった1人ですから。

 

ケアマネ不足を回避せよ

ケアマネ試験受験者が増えない3つの理由

ケアマネ試験の受験者は3つの理由から、急増は望めないと思われます。

 

①受験要件の厳格化

上記したように、ケアマネ試験の受験要件が厳しくなりました。

これにより受験資格を持つ人が少なくなっています。

 

②ケアマネの魅力低下

「オーバーワーク」
ケアマネ業務と言えば、
・書類が多い
・雑用が多い
という印象がすっかり定着してしまいました。

「低賃金」
介護職員より賃金が高いという部分で、一定のステイタスを維持していましたが、
2019年度の処遇改善見直しで、
介護職員の給与がケアマネの給与を上回るという情報が世間を賑わわせています。

 

③合格率の低下

合格率(約)10%という数字は非常にインパクトがあります。
合格率10%の試験は世間的には難関試験です。

受験を検討していた人の中で、
強い動機がない人は、受験を取りやめてしまいかねません。

 

しばらくは、ケアマネ受験者の急増は望めないものと思います。

 

受験者が増えなければ、

合格者も当然増えないということになります。

 

ケアマネ資格を保有していても

ケアマネの資格を持っていても、ケアマネ業務をしない人も増えています。

・ケアマネ業務は書類や雑用が多く大変
・業務の割に給与が安い
・人間関係が難しい
・覚えること多すぎる
などの理由をよく聞きます。

介護職の処遇がよくなれば、ケアマネ→介護職の流れはさらに増加することでしょう。

また、ケアマネ高齢化問題というのもありますね。

 

主任ケアマネ問題

さらに追い打ちをかけるように、主任ケアマネ問題と呼ばれるものがあります。

 

2021年4月からは

居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネでなければなりません。

 

主任ケアマネを取得するには、一般的には
・5年の実務経験
・研修の修了
が必要です。

 

果たして全ての居宅介護支援事業所に主任ケアマネを配置できるのか?

 

できる訳がありませんね。

大手介護事業所を中心に、居宅介護支援事業所の廃止・統合の動きが既に始まっています。

 

事業所として対策を

これまでも、ケアマネの欠員が生じた時に、利用者さんの処遇をどうするかなど、
速やかな対応が必要でした。

居宅介護支援事業所については、管理者要件が主任ケママネに限定されることで、

事業所運営のかじ取りが今後さらに難しくなると考えなければなりません。

まずは、少なくとも、2021年4月までに、
主任ケアマネを自ら取得するか、主任ケアマネ人材を確保しなければなりません。

そして、何かの理由で、その主任ケアマネが欠員となることも想定することが必要です。

 

主任ケアマネ人材は、既に奪い合いが始まっています。

主任ケアマネを確保できなければ、居宅介護支援事業所の存続が危うくなります。

居宅介護支援事業所での人材争奪の影響は、居宅介護支援事業所以外のケアマネ必置事業所にも間違いなく影響します。

貴事業所がケアマネ不足に陥らないようにするには、早めにしっかり対策しておくことが重要です。

 

居宅介護支援事業所の運営で困ったら

居宅介護支援事業所の運営でお困りのことがありましたら

介護事業運営支援センターがお手伝いします。

 

当センター代表の熊谷ははケアマネ試験対策もやっています。

どうしてもケアマネ試験に合格したい、させたい方からの

ご相談もお待ちしています。

 

ご連絡お待ちしています!!!

 

 

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